テポドン2の二度目の発射はありうるか

北朝鮮が再びテポドン2の発射準備をしているということで、二度目を発射するか否かが一部で話題になっていますが、結論から言えばありうると思います。
テポドン2打ち上げ失敗の原因探求において、それが構造的欠陥によるものか燃料注入から時間が経ち過ぎていたためにロケットが腐っていたためかという切り分けができるからです。*1
北朝鮮の技術者は現在失敗の原因探求を行なっているでしょうが、彼らが構造欠陥が原因と判断した場合、その改修には時間がかかることから二度目の発射は無いでしょう。
しかし、燃料注入から時間が経ち過ぎていたためにロケットが腐っていたことが原因の可能性が高いと判断した場合、原因の切り分けのために再度打ち上げることでしょう。それで再度同様な失敗をすれば構造的欠陥が原因だったと判断できますから。
再び弾道弾の打ち上げを繰り返したとしても今の北朝鮮には外交面でこれ以上失うものはありません。ならば、失敗の原因探求に役立つのならこの機会に実験を繰り返した方が得というもの。スカッドとかノドンに関しては既にある程度の信頼性や精度のデモンストレーションはできているわけで、テポドン2が再度失敗してもこれらの評価は下がらないでしょうし。

*1:この記事を書いた後、ロケットの腐食に関して、軍事評論家の野木恵一氏が北朝鮮でも技術的に腐食を防げると指摘している記事を読みました。北朝鮮が耐食性素材を揃えられるかには疑問がありますが、ロケットの腐食の進行は問題にならないのかもしれません。