お返事

http://d.hatena.ne.jp/KampfGr_Zbv/20060920

まず、M1A1が3億2000万円ってのは何時、何処が調達した値段なのですか?
自分の知る限りでは、4億〜6億という値段ですが・・・

M1A1の3億2000万円という価格はアリアドネ企画「自衛隊リストラ大計画―究極の国防マニュアル」のP.188からです。参考までに当該箇所の画像も張っておきます。*1この価格ですが、おそらくアメリカの自国での購入価格でしょう。

確かに90式はデータリンク等の分野では立ち遅れており、それは可能ならば改善したほうが望ましい問題ではあるのですが、それだけを以って90式はM1A2と比べて総合的に見て比較できないくらい低性能というのは必ずしもそうではないと思われます。第〜世代という括りのみを第一として考えるならばそうではありませんが。
参考までにこのような評価を紹介しておきます。

ランキングの順位についてですが、ランキングの説明文や順位からいって、これらのランキングは個別戦闘能力による評価が大きくデータリンクによる集団戦闘能力は評価対象でも評価全体に占める割合は小さいものと思われます。3.5世代戦車の第3世代戦車に対する優位性は主にデータリンクによる集団戦闘能力によるもので、戦車単体での能力は主砲、装甲、機動力共に第3世代戦車と同様ですから。
おそらく、車両用電子装置改良によるデータリンク能力が攻防走など他の評価基準と同等の一項目とされているため相対的に評価に与える影響が小さくなっているのではないかと思われます。
であるならば、個別戦闘能力で見れば90式は120mm級主砲とFCS複合装甲、1500馬力級エンジンといった第三世代戦車に求められる性能を攻防走にわたって実装した優秀な戦車ですので、ランキングのこの位置は当然のことです。また情報支援無しの一騎打ちでしたら、90式はその個別戦闘能力から他国の主力戦車と同等の性能を発揮することでしょう。推測に過ぎませんが。
データリンク能力は集団戦闘能力を圧倒的に引き上げるものの、個別戦闘能力に与える影響は少ないので、個別戦闘能力を重視したランキングにおける順位に対する影響は少なくなります。このランキングがそういうランキングかは、結果からだけでは評価基準が明確ではないので分かりませんが、ランキングの順位からいって集団戦闘能力を高く評価しているということはなさそうです。
このランキングでの90式の位置は、運動性や機動性や高速性や搭載能力といった多数の評価基準の中に埋もれているためにステルス性やデータリンク能力による評価が占める割合が相対的に小さくなっている戦闘機のランキングでロシア機が上位に来るようなものではないかと思います。

*1:十年も前の本なので、90式の価格が今よりも高い