アメリカの「味方」をしたらカミさんに非国民と言われた件

年末のある日、NHK-BS1でやっていたドキュメンタリーで太平洋戦争に従軍した日系米兵が日本との戦闘においては民間人であろうと撃つように指示されていたことを話していました。
カミさんがそれを見て御立腹。「民間人も撃つなんて非道い。鬼畜生だ」と言いました。
それに対して私はこういうようなことを言いました。「民間人を撃つというのは確かに非道いけど、仕方ない面もあると思うよ。当時の日本は民間人にも肉弾攻撃を強いていたのだから。相手が民間人でも武装して襲撃してきたら撃つしかないでしょ」
カミさんは納得せず、それから話が広がること数分。
東京大空襲とか広島長崎への原爆投下とか民間人を大量殺戮したアメリカは鬼畜だ」というようなカミさんの言葉に対して私はこういうような言葉を返しました。
「確かにそれらは戦争犯罪だと思うけど、日本がもっと早く降伏していればそうして亡くなった人々は死なずに済んだんだ。マリアナが陥落した時点で本土が爆撃されることも、もう勝ち目が無いことも明らかだったわけで、ある意味、それらの人々は勝ち目も無いのに降伏を先延ばしにした当時の日本の指導者達の犠牲者でもあるんだ。敗戦の先延ばしといい、民間人への戦闘行為への参加の強制といい、当時の日本政府の国民に対する虐待といってもいいものだ」
そうしたらカミさんに罵られました。「ええい、鬼畜米英の味方をするのか。この非国民め」と。
私としては別にアメリカの味方をしたつもりは無く、こういう物事は簡単に白黒つけられるものではなく、どちらかが一方的に悪いというわけではないということを伝えたかったのですが「失敗」した模様。*1
まあ、カミさんが怒るのも分かります。「民間人であろうと撃つ」という部分だけを取り出せば、確かに非道いですから。そういう非道がなされるに至る事情を知らなければ怒るのは当然というものです。
そして、当然であるがゆえに心配。カミさんに限らず心配。
非道な部分のみを取り出した宣伝がなされれば、背景事情に関する知識が欠如している人が容易に扇動されてしまうであろうことも当然ですから。
自称中道な人にも基本的知識が欠如しているがゆえに宗教右翼の宣伝に騙され、非道に対する義憤に駆られ正義感に基づいて行動しているだけの人もいるでしょうしね。

*1:カミさんも分かってはいるのでしょう。単に「言い負かされる」のが嫌なだけで