遅ればせながら都知事選選挙結果の件

本当に自らが支持する候補に投票しない人をバカ呼ばわりしていたサイトのせいで選挙結果が変わったと思っていますか?
そういうサイトを見た人の人数はどれくらいですか?ユニークユーザーで数千人?数万人?数十万人?そういう罵倒を見た結果、投票行動が変化した人の割合は?
概算人数と票数差を比較して選挙結果が変わると思いますか?
私は選挙結果を変えるほどの影響力は無かったと思います。それらのサイトを合計しても週刊情報誌程度の影響力を持っているかどうかさえ怪しいと考えています。
選挙結果を決めたのは何かといえば、それはB層と呼ばれる人々でしょう。
小泉郵政解散総選挙の結果を見れば明らかというもの。B層に訴えかける宣伝を行なうことで選挙に勝てるという現実。この国ではB層が選挙結果を決めるのです。*1
社会心理学的計算に基づいた演技*2と報道に容易く投票行動を操作されてしまう人々が選挙の鍵を握っているのです。
選挙結果は、人々がまたしても選挙直前の演技と報道に容易く投票行動を操作されてしまったこと、相変わらず大いなる忘却力を発揮できることを示しただけというものでしょう。
民主主義においては人々の程度に合った政治家が当選するというだけのこと。*3予想通りに期待外れだったというだけのことです。
この条件下で選挙結果を変える方法としてはB層を減らすこととB層に訴えかける宣伝を行なうことが挙げられます。
B層を減らすには教育の充実と世代交代が必要ですが、教育環境は悪化の一途で現状ではあまり期待できそうにありません。
宣伝を有功に行なうには、そのノウハウが無い者には、宣伝対象に効果的に訴えかける宣伝戦略を立案する広告会社との契約やメディアに宣伝を流せるだけの資金力と関係といったものが必要でしょう。
何れにせよ困難がつきまといます。
ただ、後者に関しては工夫によりどうにかできる可能性があるのではと思います。
例えば外山恒一氏のパフォーマンス。私は外山恒一氏のパフォーマンスは氏が選挙民の性質について洞察した上での効果的な宣伝を行なうための試みと見ています。
B層の多くが自らが被る痛みにより宣伝に流されなくなっても選挙結果は変わりうるでしょうし、そういう意味では沈黙による破壊の促進が変革の力となりうるでしょう。しかし、そこまで行ってしまったときの惨状を考えると、できるだけ足掻いた方が良いのではと思います。足掻いても結果は変わらず、足掻くことが返って痛みを長引かせることになる可能性もあるわけですが。

*1:あの分析は随分と国民をバカにしたもののように見えましたが、結果を見れば国民をバカにしたような分析の方が正しかったのです。

*2:なりふり構わず演技できる真剣さと演技力が要求されるものの

*3:宗教勢力の組織票も総体としての人々を構成する一要素に過ぎません。