「数字の説得力」の悪用

http://bogusne.ws/article/86200055.html
のネタ元の
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080222-00000122-mai-soci
がひどい。
サンプル数がbogusnewsは「無作為に38軒ほど」なのに対し、この毎日新聞の記事は「うち10人を引きこもりと判断し、別途調査した18人を加えて計28人を分析対象とした」でたったの28人。
ネタ元の記事の方がサンプル数が少ないという現実がbogusnewsの斜め上を行っている状態。分析自体も就職氷河期を無視して「引きこもり」の人格の方に原因を求めるような論調。社会環境を無視して当人の人格の方に原因を求めるというどうしようもなくくだらない「自己責任論」に、「数字の説得力」を悪用して「信憑性」を持たせて人を騙そうとしている、まったく報道と呼ぶに値しない記事です。
ただ、こういう「数字の説得力」の悪用による「騙し」は新聞記事に限らず、ネットでも現実でも珍しいものではありません。*1
件の記事は本当にどうしようもないものですが、サンプル数やサンプルの取り方などデータの取得方法に問題がある怪しい「分析」の例としては良いものといえるでしょう。こういう「騙し」の技術に引っかからないための「学習サンプル」としては役立ちますから。

*1:騙す技術としては基本的なもので、悪徳商法似非科学などで使用されていることも珍しくありません。