燃えている白燐への対応として当然のことを書いたら「学会での発表」を勧められた件

燃えている黄燐に水をかけると燃えている油に水をかけたときみたいに飛び散る - 模型とかキャラ弁とか歴史とかの記事に対して

b:id:xiao_bancho ちょう兵器白燐爆弾 千年以上前から知られてる物質の基本的取り扱い方法が間違ってたらえらいことなんだが。消防関連の学会で発表したら?そしてパレスチナの話は白燐の煙に乗って彼方へ飛んでいってしまった。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/D_Amon/20090123/p1

というブックマークコメントがついたので、一応説明しときます。
既知の知識を学会で発表してどうするというのでしょうか。

5.火災時の措置

消火剤:

小火災:粉末消火剤、ソーダ灰、石灰
大火災:乾燥砂、粉末消火剤、ソーダ灰、石灰

使ってはならない消火剤:

水、泡消火薬剤、二酸化炭素

特有の危険有害性:

引火性が強く爆発することがある。
フレアー燃焼効果により速やかに燃焼するおそれがある。
加熱されたり火炎に巻き込まれると、爆発的に分解するおそれがある.
消火後再び発火するおそれがある。
火災によって刺激性、毒性、又は腐食性のガスを発生するおそれがある。

特有の消火方法:

散水によって逆に火災が広がるおそれがある場合には、上記に示す消火剤のうち、散水以外の適切な消火剤を利用すること。
危険でなければ火災区域から容器を移動する。
移動不可能な場合、容器及び周囲に散水して冷却する。
消火活動は、有効に行える十分な距離から行う。
容器内に水を入れてはいけない。
消火後も、大量の水を用いて十分に容器を冷却する。

消火を行う者の保護:

消火作業の際は、適切な空気呼吸器、化学用保護衣を着用する。

http://www.jaish.gr.jp/anzen/gmsds/0571.html

で、「容器内に水を入れてはいけない」と書いてあるように一度発火した黄燐に水をかけるのは危険。
水をかけても大丈夫なら、この安全衛生情報センターの説明文の「使ってはならない消火剤」に水が挙げられている意味が分からない。
理由はブックマークをつけられた記事に書いたとおり。
消防関連の学会で発表するまでもない、火災時の黄燐の措置としては危険物取り扱い知識上の常識。

ブックマークコメントで

D_Amon セルクマ id:xiao_bancho氏をはじめ、分かっているつもりで分かっていないことを書き込んでいる人は、燃える前の白燐に対する処置と燃えている白燐に対する処置とを混同していると思う。この記事の記述は危険物取り扱い上の常識。

とも書いたのですが、この件では燃える前の白燐に対する処置と燃えている白燐に対する処置とが混同されている例が多いと思います。
燃える前の黄燐を水で洗い流したり水の中で保管するのは正しい措置ですが、燃えている黄燐に下手に水をかけるのは危険。