騙されやすい人々

騙されやい人にはいくつかのタイプがあります。
代表的なタイプとして「御人好しな人」、「私欲の強い人」、「権威主義な人」、「騙されまいとして騙される人」が挙げられます。
「御人好しな人」は概ね善意の人で、その善意ゆえに「善意に基づいているように見える行動」を支持してしまうような人です。例として、偽ブルーリボンとは無関係なのに日本会議の偽ブルーリボン運動を支持してしまうような人々が挙げられます。
「私欲の強い人」はその強欲ゆえにあまり下調べせずに儲け話に飛びついてしまうような人です。例は挙げるまでもないでしょう。
権威主義な人」は社会的に偉い地位にいる人の言葉を無条件に信じてしまうような人で、肩書きに弱く、また、しばしば服従心が強く尊大な態度の人による支配を好みます。例として、バラエティ番組でカリスマ司会がある商品を薦めると一斉にその商品を買いに走るような人々が挙げられます。要は簡単にカリスマの「信者」になってしまうような人です。
「騙されまいとして騙される人」は猜疑心は持っていても、科学的批判精神(懐疑精神)を持っていない人で、「貴方は騙されていたんです」という騙しや、「あれはデマだ」というデマに簡単にひっかかるような人です。例として無根拠だったり反証不可能だったりするトンデモサイトやトンデモ本の珍説を真に受けて、自ら珍説の流布に協力してしまうような人々が挙げられます。

騙されたことを認められない人々

ネット右翼(右翼に失礼なのでプロパガンダ奴隷やネットゾンビと呼んだ方が適切でしょうね)になりやすいのは「騙されまいとして騙される人」で、「貴方は騙されていたんです」という類の宣伝(歴史修正主義とか)に対し、その宣伝が嘘である可能性に気づかず容易にひっかかって洗脳されてしまうわけです。
参考:
http://d.hatena.ne.jp/slapnuts2004/20051101
また、こういう人は騙されまいという意識が強すぎるため、他人に騙されることや裏切られることを極度に恐れ、その猜疑心ゆえに日常生活において他人との信頼関係を築けず、人付き合いを避けて引きこもることが多いようです。
要は、人付き合いにおいて「信用した以上、騙されても裏切られてもかまわない」という度量を持てない小心者で、ネットでは尊大でも現実では臆病者なネット弁慶になりやすいのもこのタイプの人に多いようです。
で、こういう人が宗教右翼による歴史修正主義や無謀で無責任な好戦論といった珍説に騙されると、宗教右翼の宣伝のために無償奉仕するプロパガンダ奴隷になると。
この手の人の性質が悪いのは自分のことを「騙されない優れた人」あるいは「騙されていたことに気づいた優れた人」と思い込んでいることで、彼らから見て「未だに騙されている愚かな劣った人」を下に見ていることです。実に頭が悪い。
また、現実での人間関係を避ける「引きこもりネット中毒」が多いゆえにネットでの活動も盛ん。ただ、根は臆病なネット弁慶なので、自分が攻撃を受ける側になることは耐え切れないため自サイトを持つことは少なく、活動の中心は捨てハン名無しや成りすましでの書き捨てになります。実に卑劣ですね。(まあ、こういう行動をする人には真正の宗教右翼工作員も多いでしょうが)
最悪なのは、この手の人は自分が騙されたことに気づいても、騙されたことを認めることができないことです。
騙されたことを認めることは、自分のことを「騙されない優れた人」あるいは「騙されていたことに気づいた優れた人」と定義した考えに基づいた自尊心の崩壊を意味するからです。
故にカルト信者に対する場合と同じように、彼らの珍説を否定することは往々にしてより強固に彼らを珍説に固執させる結果となります。手の施しようがないですね。
無根拠な珍説を信じて騙されたことを指摘されて逆切れしている様を生暖かい目で見守るのが吉というものです。

騙されやすい人への処方箋

人はなぜエセ科学に騙されるのか〈上〉」、「人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉」は科学的批判精神(懐疑精神)を身につけるための良書です。
オカルトや珍説に騙されやすい人への処方箋としてお勧めです。