宗教右翼とは

宗教右翼がどういうものか知る上で参考になるURLを紹介。

日本における「宗教右翼」の台頭と「つくる会」「日本会議
http://www.h2.dion.ne.jp/%7Ekyokasho/0_conb07.htm

研究:ネット右翼嫌韓流
http://www.tokakushin.org/undou/no_net_uyoku/net_uyoku.htm

あなたの知らない宗教組織、その政界工作員について
http://d.hatena.ne.jp/claw/20050123

宗教右翼のこととか
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050123

日本会議族議員たちと、「家族会」
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050130/1107032846

宗教右翼の結節点
http://d.hatena.ne.jp/kamayan/20050130/1107033907


宗教右翼は基本的に宗教団体であることをカモフラージュしながら行動するため、その存在を知らない人は多いでしょう。
それゆえ宗教右翼の存在を知らずにその手の宣伝に乗せられる人も多いでしょう。ただ、それで勘違いしてはいけないことは、問題は宗教右翼の宣伝より人間の騙されやすさの方にあるということです。
例え宗教右翼の存在を知らなくても、まともな知識と論理的思考力があれば宗教右翼が煽るような「自民族中心主義、外国人嫌い、狂信的愛国主義」といった宣伝に乗せられることはありません。
しかし、世の中には無知で思考力が未熟なコドモゆえにそういう宣伝に乗せられやすい人がたくさんいるのです。

対策

宣伝による扇動を根本的に解決するためには、そういう人がたくさんいる状況を克服しなければなりません。さもなくば、たとえ宗教右翼の宣伝を排除できても別の宣伝が取って代わるだけのことになるでしょう。
科学的批判精神を育成できるような教育はそういう状況を克服する一つの手段になると私は思います。問題はそういう教育改革に宣伝に乗せられやすい人に対する即効性がないこと。現状ではそういう教育改革自体が望めないこと。長期的には教育改革による科学的批判精神育成が大事とは思いますが、短期的には別の「宣伝に対抗する手段」を実施する必要があります。
宗教右翼の活動を暴き、そういう活動に対する反発心を利用することは、騙されやすさに対する本質的な解決ではないものの、そういう現状において即効性が見込める手段の一つです。
「普通の人」がいかに扇動されやすいかについてはナチスドイツや大日本帝国が教訓を残しています。人々の「常識」に期待してそういう宣伝を放っておくことは、かつての二の舞となる危険性を孕んでいます。だからといって闇雲に対抗しても効果は望めません。「普通の人」に届かない言葉ではそういう「大衆運動」に対抗できないことも歴史は示しています。
現状で本気でその手の宣伝に対抗するのであれば、先の選挙における「B層」に代表されるような「普通の人」の階層分析に基づいた宣伝に学び、「B層」にも通じる対抗言論を効果的に行う必要があるのではと思います。
客観的に自分を見ることができ、自分の「普通さ」を自覚し、普通の人ならこんな宣伝には引っかからないだろうと考える人が思っているほど、「普通の人」は騙されにくいわけではないということを先の選挙は示しているといえるでしょう。

科学に国境は無い

セーガン博士の言葉。(「人はなぜエセ科学に騙されるのか〈下〉」より引用)

今日の世界では、自民族中心主義、外国人嫌い、狂信的愛国主義といったものがいたるところにあふれている。いまだに多くの国々で、政府にとって都合の悪い思想が抑圧され、誤った記憶、あるいは故意にねじまげられた記憶がくりかえし人々に教え込まれている。こうしたやり口を支持する者にとって、科学は目の上のたんこぶだろう。科学が手に入れようとする真実は、民族的、文化的な偏向とはおおむね関係がない。そもそも科学には、その本性からして国境というものがないのだ。同じ分野を研究している科学者たちが一つの部屋に集まれば、たとえ共通の言語がなかったとしても、なんとかコミュニケーションをとる方法を見つけだすだろう。科学そのものが国を超えた言語なのだ。科学者は本来的に国際人であり、人類を分断して争わせようとする動きの正体を見抜くことができる。ある国に特有の九九表がないのと同様に、ある国に特有の科学というものは無い」と言ったのは、ロシアの劇作家アントン・チェーホフだった。(これと同じことは、ほかの多くのことに関しても言える。たとえば、ある国に特有の宗教というものはない。もっとも、狂信的愛国主義という宗教には何百万人もの信者がいるけれど。)

この言葉は重いです。多くの人が科学的批判精神を持つようになれば宗教右翼がやっているような宣伝は効果を失うでしょう。今すぐには無理でもいつの日かその理想を実現できればと私は思います。
ただ、そういう長期的な理想の実現の前に、その理想を後につなぐための短期的な行動も必要ということを認識しておかねばなりません。


人気blogランキングをクリックしていただけると幸いです。