今の兵器市場は買い手市場

2006年09月20日 KampfGr_Zbv 軍事 サウジがM1A1買ったときの価格は、幾らだったかなあ・・・

サウジアラビアが購入したのはM1A2の筈ですが。エジプトが購入したのはM1A1ですが…*1
おそらく、意図は輸出兵器は価格の上乗せがあることにあるのだと思います。
確かに輸出兵器は輸送コストなどもあって割高になります。上乗せ分はだいたい20〜30%。対して国産兵器は2倍から3倍、ものによっては8倍以上にもなるわけです。
高価でも「国情に合った兵器をやむなく自主開発」なのであれば、納得できなくもないのですが、実情はそうでもありませんし。
冷戦後の現代の兵器市場は買い手市場。冷戦時のように最初から実質的な候補が絞られているわけではなく、買い手は複数の候補から費用対効果に優れた兵器を選択できますし、売り手も受注を得たければ買い手に魅力的な候補を出す必要があります。
アメリカは台湾へのF-16の輸出を渋っていましたが*2、台湾がミラージュ2000を購入した途端、F-16の輸出を承認しました。
インドではF/A-18E/FとMiG-29M OVT(MiG-35)が採用を巡って競っています。
各国の戦車の更新にしてもM1、レオパルド2ルクレールチャレンジャー2といった候補が採用を求めて競う状況。
こういう状況では武器輸出国も無茶な価格の上乗せはできません。
そのため、国産兵器の高額さと、それによる国防費の割に貧弱な自衛隊の装備が尚更際立つわけです。

*1:もしかしたら湾岸戦争直後の契約かもしれません。あの場合はサウジが湾岸でのM1の活躍に惚れ込んで強引に欲しがったため売り手市場だったそうですから。価格は知りませんが

*2:で、台湾が自主開発したのが経国