ケーススタディ型洗脳の恐怖
似非科学なり歴史修正主義なりウヨク系似非政治学なり、ある種のダマシの巧妙なところは恣意的に事例選択したケーススタディにより犠牲者に信じ込ませたい結論を犠牲者が「自分の頭で考えて出した結論」と思うように仕向けているところです。人間は結論を強制されると反発しがちですが、「自分の頭で考えた結論」については強固にしがみつきがちなところがあり、洗脳を行なう側は犠牲者に信じ込ませたい結論を「自分の頭で考えた結論」と思い込ませることで強力な洗脳効果を得られるわけです。
ケーススタディ型洗脳は基本的に「事例紹介プラス質問」という形式をとります。
宥和政策を否定したい場合は「宥和政策の失敗事例」を紹介して、それについてどう思うか質問する。
似非科学な「水からの伝言」の場合は「水に『ありがとう』などの『よい言葉』を見せると、きれいな結晶ができて、『ばかやろう』などの『わるい言葉』を見せると、きたない結晶ができるという事例」を紹介して、それについて考えさせる。
歴史修正主義であれば「誤解を招くように極端に歪曲及び誇張した事例」を紹介して疑惑を感じさせる、といったように。
歴史修正主義の一例を挙げるとこんな感じ。
『>そこでは事実認定レベルで「南京大虐殺はなかった」ってなトンデモ説を唱える意見は容赦なく切り捨てられますよ。
これに関してだけ聞きたい。証拠は?
お・ま・け
歴史上最大のミステリー
日本刀で100人斬り殺せるほどの戦闘力をもち、銃剣と単発銃のみで40万人殺すなど原爆以上の破壊力を持つ携行兵器を誇り、各植民地で無駄に現地人を殺してまわるほど武器弾薬が余っていて、揚子江の川幅を2m以下にしたりするほどの高い土木技術を持ち、沖縄で米軍上陸後も市民に玉砕命令が出せるほど命令系統がしっかりしていて、日本兵の数を上回るほどの従軍慰安婦を一日に一人あたり何十人も暴行するほど体力と食料があって、開戦前からオランダ占領時のインドネシアにも日本軍用の慰安婦を送り込むほど先見性があり、AVが無かった時代にも関わらず慰安婦に顔射するほど独性に富み、韓国で文化施設はもちろん一般家庭にある辞書から料理本に至るまで処分してまわるほど暇で、保護するために植民地ではなく併合したにも関わらず、韓国の運気を捻じ曲げるために、山の頂上に鉄杭を埋め込むほど風水に明るく、当時の朝鮮の人口のおよそ半数近くを日本へピストン輸送するほど燃料と船舶が豊富で、中国で家々に火を放ちまくり無駄に虐殺した民間人の死体を一カ所に集めて、たっぷりとガソリンをまいて燃やすほど石油資源に余裕があり、韓国の優れた建築施設・街・鉄道を全て接収することなく破壊し尽くした上、新たに日本の駄目な建築物に建て替えるほど資源と資金が有り余っていて、11歳が戦場で暴れ回るほど若い内から逞しく、終戦後になぜか強制連行を行いまくるほどの軍備と余裕があり、圧倒的科学力を誇る朝鮮の反日勢力になぜか圧勝するほど運がよく、朝鮮人を殺しまくりながら人口を2倍にするという魔術を持ち、敗戦国でありながらGHQを手玉にとって朝鮮戦争を起こすようコントロールするほど政治力と外交能力に長けた日本が敗戦したことは歴史上最大のミステリー』
http://d.hatena.ne.jp/Schwaetzer/20060622コメント欄より。
これはケーススタディというより難癖というものですが、さておき、ケーススタディにより自分の頭で考えるような形で犠牲者を特定の思想に染め上げてゆくというのは古典的な洗脳手法です。
ダマシが洗脳しようと思っている分野に関する知識を犠牲者が欠いていて、恣意的な事例選択に対する反例や事例の適用の不適切さに対する批判を思いつけない場合、犠牲者はダマシの持ち出した事例を鵜呑みにしやすくなるので、より洗脳されやすくなります。
そして、ダマシの持ち出した事例を鵜呑みにした犠牲者はケーススタディ型洗脳を仕掛けたダマシの思うままの結論を「自分の頭で考えて」導き出し、それを信じ込んでしまうわけです。「自分の頭で考えた結論」に固執するという強力な洗脳効果のおまけつきで。もうビリーバー怖いよう状態。
この手のケーススタディ型洗脳のもう一つやっかいなところは、仕掛けているダマシにも逃げ道を用意するところ。
こういうケーススタディ型洗脳により導き出される結論の不当さを指摘すると、仕掛けている人は「○○という事例を紹介して、どう思うのか質問しているだけで、××と主張しているわけではない」なんて言ったりするわけなんですね。うんざり。
ケーススタディ型洗脳の犠牲者が態度もそのままにダマシの受け売りをしている場合もあるわけで、これまたうんざり。