風刺と説得
風刺バナーに噛みついている人の姿を見て、ある種の人々は風刺と説得の区別がついてないのかなと思いました。
対象の特徴を誇張して現実を戯画化した一コマ風刺漫画は対象にシンパシーを感じている人には不愉快なものでしょうが、そういう風刺はもとからそれを見て不愉快になる人向けのものではありません。(相手の精神的消耗を狙っている場合は除く)
どういう人向けかといえば、対象に対する「不満」を共有する人と皮肉が分かる人向けです。(皮肉が分からない人には誤解されやすい風刺もあったりするので、両方兼ねているほうが望ましいです)
対象に対する「不満」を風刺により「笑い」とし、対象に対して「不満」を持つ人々を共感でつなぐことができれば、風刺はその役割を果たせているわけです。(その点、bogusnewsは非常に巧み)
そういう風刺で不愉快になる人が、それを自らに対する「説得」と感じるのは自意識過剰というものですし、「説得」の手法として拙いと批判するのは的外れというものです。(毒気そのものが風刺の味だったりするわけですし)
もっとも、そういう行動は風刺の対象にシンパシーを感じていることの自己表明でもあるわけで、わざわざ自らの偏りの表明お疲れ様ということでもあるわけですが。