分断される団塊世代と団塊ジュニア世代
96 :( 'A` ):2007/05/03(木) 19:20:30 (自動リンク防止のためID略)
>>1
その問いに答えるのは簡単です。
全共闘世代が、その既得権益を守るために、徹底的に団塊Jr.を犠牲にしたからです。
だから答は「お前らが言うな!この全共闘ブサヨ世代が!」となります。
(管理人より:もちろん>>96は間違っている訳ですが大体のネトウヨの想いを代表した見方
かもしれません。既得権益を守っているのは官僚+自民党なんですが‥更に自民党が
構造改革で社会を2極化してフリータ等を悲惨な状況に追い込んだのですが‥)
階層分析は手段 - 模型とかキャラ弁とか歴史とかでこういうコメントを引用したわけですが、こういう団塊ジュニア世代の労働条件の悪さの原因を団塊世代の所為にする言葉をネットではしばしば見かけます。
そういう言葉が正しいかというと、引用元管理人コメントにもありますが、それは誤りです。
確かに団塊世代は団塊ジュニア世代に比べて労働条件が良かったわけですが、そういう労働条件を変えたのは団塊世代ではありません。自民党です。
1990年代の話。
自民党はリストラという名の首切りの奨励により労働市場を供給過剰にしました。その結果の求職者の供給過剰が労働力の安売り競争になったわけです。不況時の雇用拡大政策をするべきところをリストラ政策で人余りに拍車をかけたわけですね。
自民党は派遣労働を労働者の能力の有効活用という名目で推進しました。その実態は労働力の期間工化で、これにより(人件費の高騰理由である一方、高技能職の養成にも役立っていた)終身雇用制が破壊されました。
労働者による労働力の安売り競争も、終身雇用制の破壊も自民党の政策の結果なのです。*1
そして、これらの自民党の政策の結果、大企業の人件費を抑制したいとの意向が実現されたわけです。
労働条件の悪化は不景気の所為だけではないということですね。企業側にしてみれば収益のために労働者を安くこき使いたいというのは、ある意味、当然のことです。
団塊世代の労働条件が団塊ジュニア世代に比べて良いのは概ね事実ですが、団塊ジュニア世代の労働条件の悪化に手を下したのは団塊世代ではありません。団塊世代の労働条件が良いのは、単に自民党が労働条件を変える前に就職したからというだけの話です。
にも関らず、こういう団塊ジュニア世代の労働条件悪化の責任は、自民党から団塊世代に転嫁されているわけです。これは、こういう構造を作り出したものに対してではなく、こういう構造の上に偶々乗っかっているだけのものに対して非難しているわけで、的外れな非難というものです。
もっとも、自民党にしてみれば、団塊ジュニア世代の労働条件悪化による鬱屈した不満を団塊世代に向けさせることができるわけで、大助かりというものでしょう。
弱者*2と弱者を分断して、弱者が弱者を攻撃するようにしむけるのは昔ながらの統治手法。そのようにすることによって弱者同士がいがみ合い、互いに不満を吐き出している分には、弱者の不満が団結して権力に向かうということが起こり難くなるわけですから。
そこで展開されるのは、弱者と弱者が作り出された構造の中で踊らされて互いに不満をぶつけ合うという不毛な世界。本当に不満をぶつけるべき相手は、そういう構造を作り出したものだというのに。
そして、弱者は自分よりマシな条件の別の弱者の条件を羨み、憎しみ、叩き、条件が低い方に合わせて引き下げられることで「平等」が達成されることを望み、それは権力側の望みにも貢献するわけです。企業が望む人件費抑制や労働強化や社会保障負担削減といった形で。