アンポンタンが腐女子の彼女に帝国海軍艦船を軽く紹介するための10隻

アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本に悪乗りしてみる。

まあ、どのくらいの数のアンポンタンがそういう彼女をゲットできるかは別にして、
「アンポンタンではまったくないんだが、しかし自分のアンポンタン趣味を肯定的に黙認してくれて、
その上で全く知らない帝国海軍艦船の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」
ような、アンポンタンの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、帝国海軍艦船のことを紹介するために
見せるべき10隻を選んでみたいのだけれど。
(要は「太平洋戦史シリーズ」の正反対版だな。彼女に「帝国海軍かく戦えり」を布教するのではなく
相互のコミュニケーションの入口として)
あくまで「入口」なので、知名度的にマイナー過ぎる艦船は避けたい。
できれば主力艦、マイナーでも駆逐艦にとどめたい。
あと、いくら帝国海軍艦船的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。
明治好きが八島は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。
そういう感じ。
彼女の設定は

知識はいわゆるチャンピオン的なものを除けば、少年誌程度は見ている
やおい度も高いが、頭はけっこう腐ってる

という条件で。
まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

綾波」レイ(新世紀エヴァンゲリオン)

まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「綾波以前」を濃縮しきっていて、「綾波以後」を決定づけたという点では
外せないんだよなあ。眼帯包帯を萌え記号にした艦だし。
ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。
この情報過多な艦について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に
伝えられるかということは、アンポンタン側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

塚本「八雲」(スクールランブル)、「伊吹」風子(CLANNAD)

アレって典型的な「アンポンタンが考える一般人に受け入れられそうな艦(そうアンポンタンが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの
という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには
一番よさそうな素材なんじゃないのかな。
「アンポンタンとしてはこの二隻は“嫁”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

陸奥」九十九(修羅の門

ある種のアンポンタンが持ってる格闘術への憧憬と、圓明流のオタ的な技探求へのこだわりを
彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも川原正敏
「童貞的なださカッコよさ」を体現する金剛
「童貞的に好みな破壊力」を体現する虎砲
の二つをはじめとして、アンポンタン好きのする技を世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。

鞍馬蔵馬」(幽遊白書)

たぶんこれを見た彼女は「比叡飛影はそんなこと言わない!」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。
この系譜の艦がその後続いていないこと、これが腐女子では大人気になったこと、
アメリカならスピンオフ作品になって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、
日本国内でこういうのがつくられないこと、なんかを腐女子彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

飛鳥「武蔵」(風魔の小次郎)

「やっぱり少年漫画は腐女子妄想のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「橘」桔平(テニスの王子様)
でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、大風呂敷にかける車田の思いが好きだから。
断腸の思いで削りに削ってそれでも、四千年っていう聖剣戦争が、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、
その大風呂敷ということへの諦めきれなさがいかにもアンポンタン的だなあと思えてしまうから。
聖剣戦争の長さを俺自身は冗長とは思わないし、もう削れないだろうとは思うけれど、一方でこれが
許斐(テニプリ)やしげの(頭文字D)だったらきっちり親子二代にしてしまうだろうとも思う。
なのに、各所に頭下げて迷惑かけて四千年を作ってしまう、というあたり、どうしても
「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないアンポンタン」としては、たとえ車田がそういうキャラでなかったとしても、
親近感を禁じ得ない。もはや艦船名にこじつけるのが苦しくなってきていることと合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

藤ノ宮「千歳」(きんぎょ注意報!)

今の若年層で「きんぎょ注意報!」見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。
おジャ魔女どれみ」よりも前の段階で、東映のギャグ演出の哲学とかアニメ技法とかはこの作品で頂点に達していたとも言えて、
こういうクオリティの作品がテレビアニメでこの時代にかかっていたんだよ、というのは、
別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなくアニメ好きとしては不思議に誇らしいし、
いわゆるプリキュアでしか東映を知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

雪風」(戦闘妖精・雪風)

神林長平の「目」あるいは「話づくり」をアンポンタンとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。
「終わらない戦闘を毎日生きる」的な感覚がアンポンタンには共通してあるのかなということを感じていて、
だからこそ「グッドラック 戦闘妖精・雪風」の最後はあれ以外ではあり得なかったとも思う。
「戦場化した日常を生きる」というアンポンタンの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「アンポンタンの気分」の
源は雪風にあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、
単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

「加賀」愛(さよなら絶望先生)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。
こういうギャグ漫画風味の加害妄想をこういうかたちでツン詫びして、それが腐女子に受け入れられるか
気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

長門」有希(涼宮ハルヒの憂鬱)

9隻まではあっさり決まったんだけど10隻目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に長門を選んだ。
綾波から始まって長門で終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、YouTube以降の「俺の嫁」の先駆けと
なった艦でもあるし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい艦がありそうな気もする。
というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10隻目はこんなのどうよ、というのがあったら
教えてください。
「駄目だこのアンポンタンは。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。
こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。