相手の妥当性を認めるふりして否定する論法

「相手の妥当性を認めるふりして否定する論法」は自分が悪者になるのを避けつつ穏便に相手の論を否定したいときに使う論法です。相手の論を実質的に否定すると同時に観客に自分の知的誠実さもアピールできる一挙両得な論法。
手順は以下の通り。


1.まず相手の論の妥当性を認める。
2.妥当性を認めた上で、それに必要な条件を考えてみる。
3.必要な条件が非現実的なくらい非常に困難なものであることを示す。
(4).暗に相手の論が無茶であることを示して実質的に否定する。


この論法に対し「そうですね」と相手が納得しても思う壺。「そんなこと本気で思ってもいない癖に」と相手が反応しても相手を「悪者」にできて思う壺。何故って?相手の言葉から言ってないことを読み取って憤るのは悪者に決まってますから。
この論法、非現実的なくらい非常に困難な条件を自らに課す誠実さを装うこともできて観客ばかりか相手をも魅了できることも。
論法を使われる側が実際にこういう論法を使われているか否かを安易に判断できないのも利点。こういう論法を使っているように見えても、もしかしたら実際に物事に対し真剣に思い悩む誠実な人なのかもしれないわけですから。

対策

相手がこの論法を用いていようと本当に誠実であろうと対策は同じです。
相手の誠実さを認めつつ、必要な条件は非現実的なくらい困難なものではないことを示すことです。
これによりお互いのフェアプレイぶりを観客にアピールできると同時に、話を互いの論の正当性に引き戻すことができます。

結語

一見、素晴らしく誠実な人同士で行なわれているかのように見える議論も一皮向けば実は腹黒さを巧みに取り繕っての応酬なのかもしれません。娑婆は恐ろしい場所ですね。