コンビニの成人向け雑誌の自主規制基準は条例に準拠している
コンビニで現在販売されている「成人向け」図書というのは、各団体(コンビニの場合、日本フランチャイズチェーン協会)が条例に準拠して独自に決めた、18歳未満には推奨できない、いわゆる「類似図書」とされるもの
コンビニの成人向け雑誌は成人マークをつけた表示図書ではなく類似図書であり、類似図書は条例基準の自主規制している一般図書。
ここでいう条例とは青少年健全育成条例などのことで、コンビニの成人向け雑誌の自主規制基準は各自治体が定める不健全図書指定基準に準拠している。
この自主規制は、東京都に出版社と取り次ぎが集中していることから、特に東京都の条例の影響を強く受ける傾向にある。
東京都,シール止め雑誌の内容過激化の指摘
2006年(平成18)7月,かねてより「小口シール止め」雑誌の内容が過激化し,成年雑誌マーク表示図書と変わらない現状について,東京都治安対策本部が雑協,出版倫理懇話会と意見交換を行った。都側は秋の審議会に過激なシール止め雑誌を不健全図書として諮問にかけたい意向を表明。出版社側は「小口2か所止め」は中身もほぼ完全に見られず,青少年の目に触れさせない条例の目的は果たしており,内容の是非は刑法175条に任せるべきと主張した。
このような出版社側の抵抗もあり、類似図書自体は不健全図書としての諮問の対象ではない。
しかし、その内容自体は単行本化や再録誌などで再書籍化された際に諮問の対象になりえ、実際に不健全図書指定されることもある。
実例を挙げると、「漫画ばんがいち」(コンビニ販売用美少女アダルト漫画誌)の不定期連載を単行本化した「まりあちゃんのつぼみ」、「漫画ばんがいち」の掲載作の再録誌の「がーぱら!」、「みるきぃ・りっぷ」などが不健全図書指定された。
こういうコンビニ誌掲載作は単行本化などにあたり、修正を薄くして成人マークをつけて売られることが多いが、コンビニ基準の内容と修正のまま一般図書として販売されることもそれなりにあり、その場合、区分陳列もシール止めもされずに販売され、その結果、コンビニ誌掲載作の内容が諮問の対象となる。
そして、その結果の不健全図書指定により、条例準拠の自主規制をしていることになっている筈のコンビニ誌が条例にひっかかるような内容を載せることもあることがわかるというわけだ。
これについて私は、出版社には条例に背く気はなく、条例ぎりぎりを狙った結果、境界を踏み越えてしまったのだろうと思っているが、コンビニ誌に条例にひっかかるようなものが掲載されたことがあることに変わりはない。
この記事を書いた理由
http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/blog.livedoor.jp/kudan9/archives/54789884.html
とそのメタブで以下のようなやりとりがあったから。
D_Amon 顧客が本当に必要だったもの→暖簾等で区分けされた不必要に目に入らない環境。実際の運用→どこまで都条例にひっかからないか卑猥チキンレースしたものを区分陳列。運用側は権力に従順なだけで、衝突は避けられない
hanyan0401 類似・表示図書は原則都条例による不健全図書指定の対象外なのですが、「都条例にひっかからない」を条件とした「卑猥チキンレース」、どこで開催されているのでしょう。ごく基本的な知識に欠けているなと。
D_Amon コンビニエロ本は都条例における表示図書ではなく、一般向けだが業界が自主規制しているだけの類似図書で、その内容の自主規制は(近親姦は駄目とか)不健全図書指定基準に準拠というのが基本的知識の筈だと思うがな
asakura-t ↓いや、類似図書はコンビニ側の要請に合わせて規制してますよ(つまりあの表紙はコンビニ側は容認していたんだよね、実は)
hanyan0401 id:asakura-t氏が既に指摘されている通り、類似図書のゾーニングは、コンビニ側が提示したレギュレーションを出版側が受け入れる形で行われています。そしてその詳細は私が知る限り、非公開の筈ですが。
hanyan0401 表示・類似図書が共に指定対象外である以上、「都条例にひっかからない」が条件なら、表示図書と比較して類似図書の表現を控える必要はないので、「ひっかからない為」は、無知かつ誤り以外の何物でもないわけです。
hanyan0401氏の訳知り顔とかどうでもいいが、私は私自身の表現規制に関する知識の上で発言していることは示しておくべきだろう。
後、関連して、コンビニエロ本はネットでも現実でもエロメディアに接することが困難なネット弱者や交通弱者のための人権問題的な主張をしていた人々は、コンビニのエロ本撤去に対し経済的理由だから仕方ない的に投げ出すのではなく、売り場を守る努力をするべきだろうと思う。人権問題なんだろ。