原爆の犠牲者数の推計値について

FrenetSerret id:D_Amon 核実験や科学的に明らかにされた原爆の威力から推定される被害者数と、まだ一切断定する材料もなく自分も認めるように蓋然性のない30万人を同じに扱っていい理由にはなってない。馬鹿ですか?w

http://b.hatena.ne.jp/entry/b.hatena.ne.jp/entry/www.47news.jp/CN/201501/CN2015011401001738.html

という発言は間違っています。


広島市の公式見解である原爆死没者数「約14万人(誤差プラスマイナス1万人)」は以下のように推計されています。

44年2月の広島市の人口を参考にした推計と、被爆後約3カ月がたった45年11月の広島市と周辺町村の人口を比較し、軍の被害報告資料や県外からの来広者、朝鮮人被爆死亡者などを考慮した、と一定の根拠を説明している。被爆30年を経て犠牲者数が明らかでないことについては、国家的な調査が放置されてきたと指摘する。

(4)原爆の犠牲者数なぜあいまいなの <下>

つまり、(原爆投下前の人口の推計値−1945年11月の生存者の推計値)+(軍関係者・来広者・朝鮮人被爆死亡者などの不明瞭な推計値)です。この値に「核実験や科学的に明らかにされた原爆の威力」から推定された部分はありません。


広島に投下された原爆は臨界前の核物質に臨界に達する量の核物質の弾を撃ちこむことから確実に動作することが予測されたガンバレル式で、実験無しに広島に用いられています。
その発生エネルギーの推定や反応した濃縮ウランの割合の推定ができるようになったのは後の時代の研究によってです。
ゆえに米国の戦略爆撃調査団による推計値が「核実験や科学的に明らかにされた原爆の威力」から推定されているわけがありません。


よって、日米の見解とされるいずれの値も「核実験や科学的に明らかにされた原爆の威力」から推定されていません。
以上。


あと、死者数と犠牲者数は同じというわけではないという話と政治における見解と学問における諸説は異なるという話 - 模型とかキャラ弁とか歴史とかでも書いたことですが、「蓋然性は低いが推計値として否定できるものではない」と言ったのを「自分も認めるように蓋然性のない」と言いかえるのは捏造です。